小規模企業にぴったりな社内共有アプリ5選
「社員同士の共有ツールを探しているが、いまいち適切なものが分からない……」
そんな悩みを抱えている小規模企業の総務社員や経営者のために、あなたの会社業務・連絡を効率化させる社内共有ツールをまとめました。
「うちのような小さな会社では、SMSやGmailで十分だ」と考えている方もいるかと思います。
しかし、近年は小規模企業でも効率を大幅に上げられるアプリケーションが増えてきています。なかには、連絡ツールとしてだけでなく、情報の一元化を担えるアプリケーションもあります。業務効率の向上は人員コストの削減につながるため、小規模企業といえど無関係ではありません。特に、これからは日常生活だけでなく会社業務もIT化が顕著に進む時代と言われています。競合企業と差をつける意味でも、アプリ・ツールを使って業務効率を改善し続ける必要がありそうです。
社内情報共有をアプリで行うことのメリット
ここで言う社内情報共有とは、部下への一方向な連絡が目的ではありません。社員発の情報共有も含まれます。また、アプリのグループ機能により、部署・チームごとの情報共有やスムーズな連絡が可能となりました。ここからは、情報共有アプリを使うことによって得られるメリットを紹介します。
社内情報の送受信における機能が多彩
社内情報と一口に言っても、個人への連絡・集団への連絡・イベントの連絡・タスク進捗報告などその目的は様々です。また、小規模企業といえど、業務形態や社員間の連絡頻度なども様々。そんな中、現在は多様な企業タイプと合致する様々なアプリがリリースされています。リアルタイム連絡に特化したアプリや、リモートワーク中の社員の顔や場所を把握できるアプリ、イベント連絡に最適なアプリなどがあり、あなたの会社に合ったものが見つかるでしょう。
社員教育の時間を短縮できる
従来の社員教育と言えば、教育担当の社員を用意し多くの教育時間をかけながら成長を促すというケースが多かったはずです。このパターンでは、複数の新入社員が先輩上司に質問するため、そのたびに時間を使ってしまうことになります。しかし、現在はアプリケーションのクラウド上に教育メニュー(動画やテキスト)を保存し、それを見せるだけである程度の教育が完了します。新人に必要な情報やQ&Aをまとめて送信するだけで教育担当に質問する時間の削減も可能です。
(参考)
▽小規模企業向け!クラウドサービスの導入で人材育成を加速させる
場所・デバイスを問わず閲覧・編集可能
小規模企業でも、当然外回り営業や社外での会食・ミーティングがありますよね。そんなときに急な仕事が入ったり、誰かに連絡しなければいけないケースがあるはずです。そんな時、その場で編集・一斉連絡できるアプリがあったら非常に便利ではないでしょうか。さらに、近年増えているリモートワーク型の会社では、このような連絡・情報共有アプリは必須です。
「上司が出張中にメールで指示してきたけど、CC付けてないから自分がさらに社員に連絡をしなければいけない……」
「出張中の自分に複数の部下から質問や連絡がある。グループ機能やタスク管理ツールがあれば効率的なのに……」
このように思ったことはありませんか?機能一つあれば解決できた問題に無駄な人員コストをかけなければいけないのは、非常にもったいないです。逆にここを解決出来たら、大幅な効率化が期待できます。
人間関係の構築を促進
社内に情報共有ツールを導入すると、その機能により仕事や連絡が効率化されます。またそれと同時に、社員同士の新たなコミュニケーションツールとしての役割も果たしてくれます。社員同士のプライベートに関する話に繋がり、社内の人間関係の円滑化に貢献します。そして、人間関係が円滑になると仕事にも良い影響を与えるので、一石二鳥以上の効果も見込めるでしょう。
小規模企業にぴったりな社内共有アプリ5選
では、今回のメイントピックである小規模企業に適する社内共有アプリを紹介します。
ツール1:LINE WORKS
近年の数人・数十人規模のベンチャー企業のなかには、LINEで仕事の連絡も行っているという話も聞きます。しかし、これは一般的かというとそうではありません。社員の本音として、仕事とプライベートは分けたいという意見もあるでしょう。とはいえ、LINEのグループ機能やイベントの日程調整機能は連絡ツールとしても非常に使いやすい。そんな私たちに適したアプリが「LINE WORKS」です。 新しいアプリの導入に抵抗感がある人も 「LINE WORKS」なら導入のハードルが低いのが嬉しいところ。私たちが日常で使っているSNSのLINEと同じチャット機能が使え、相手に気軽に連絡できます。また、おなじみのスタンプ機能で自分の気持ちを簡単に伝えることも可能。他にも、以下のようなな便利機能が付随しています。
・音声通話・ビデオ通話
・カレンダー
・アンケート
・Drive機能
なかでも、このアプリ内でカレンダー機能が使えることにより、プライベートと切り離して仕事の予定を管理できる点は便利です。
さらに、Drive機能ではLINE WORKSで送られた画像だけでなく、ファイルもそのままの形式で保存することができます。
連絡・予定管理・資料保存などの業務に必要な作業を全てLINE WORKSで完結できます。いままでLINEやそれに似た連絡ツールを使ってきた小規模企業では、さらに便利で業務向きの「LINE WORKS」の使用をお勧めします。
ツール2:Chatwork(チャットワーク)
日本発のリアルタイムチャットツールと言えば「Chatwork(チャットワーク)」と言われるほど、浸透してきているアプリです。導入企業数は2018年末に20万社を突破し、大企業だけでなく小規模企業やフリーランスの連絡ツールとして活用されています。リアルタイムチャットやビデオ通話以外の主な特徴は以下の4つ。
・4つの使用プランあり
・タスク管理ができる
・大容量のファイルでも一元管理・共有できる
・場所・時間にとらわれず会議できる
タスク管理や、場所時間にとらわれずに会議できるのは他のアプリと被る点ですが、特徴的なのは4つのプランと送信可能なファイル容量です。
無料のアプリとして利用してもグループチャット機能・タスク管理が利用できます。あまり注目されませんが、フリープランでも最大5GBまで使用できるのはチャットワークの優れた点でもあります。さらにビジネスプランになると、10GBのストレージが参加ユーザーごとに使用できるようになり、グループでビデオ通話ができるようになります。
IT系の小規模企業には心強いプランです。最も月当たりの料金が高いエンタープライズプランになると、都合の悪い外部SNSやユーザーを制限する機能などの管理機能が強化されます。このプランは極秘情報を扱う大企業に適していますが、IT企業などの情報を扱う小規模企業にもおすすめです。
ツール3:Slack
「Slack」は米国のサンフランシスコが本拠地のSlack Technologies inc.よりリリースされた世界中で人気のアプリで、主にエンジニアの間で気に入られ広まりました。当然、世界規模のアプリなのでユーザー数の200万人を超えるなど、規模はチャットワークの10倍以上にもなります。チャットワークと比較して不便な点は1.タスク機能が使えない、2.完全社内限定な所でしょうか。しかし、Slackの強みはこれらを補えるほど優秀です。
・視覚的に使いやすいUI
・post機能で情報を一元化可能
・エンジニアに最適のsnippet機能
・他アプリとの連携
UIはチャットワークよりも高度と言えます。シンプルなデザインが好みの方はチャットワークをおすすめしますが、連絡手段としてデザインの遊び心もあるほうが良い方はSlackを気に入ってくれることでしょう。また、プロジェクトの企画やマニュアルなどの比較的大きな情報量を伴うテキストはpostを作成し、複数人が共同で編集できる機能もあります。チームで動かすプロジェクトがある企業には便利な機能です。加えて、エンジニアにとってうれしい機能として、コード(HTMLやJavaScript等)をそのままの形で投稿できるsnippet機能もあります。デスクトップ版の使用に限られるので、そこは注意してください。そして、特にオススメな点は他アプリと連携してワークフローに統合できます。連携アプリはGoogle Drive、Twitter、Asana、Salesforce、Dropbox、Zendeskなどです。Slackがおすすめの業種はIT系、特にエンジニア関連でしたらSlack一択と言ってよい使い勝手でしょう。
ツール4:Remotty(リモティ)
「Remotty」はこれまで紹介してきたアプリよりも知名度は低いですが、リモートワーク型の小規模企業に最適なアプリと言えます。
その最大の特徴は社員が離れていてもオフィスと同じコミュニケーション環境を実現できるツールだからです。たとえ社内でも、社員同士の距離が離れてコミュニケーションがとりにくい状況はあります。Remottyを使えば、参加社員同士の顔を見ながらチャットができるので相手の場所や服装・表情を見ながら連絡を取ることができます。部下の移動や出張時に連絡を取りたい時にも便利です。他の主な特徴としては、以下があります。
・個人チャットや掲示板が全体に共有されるので、他チームの状況も把握できる
・ログインすると、画面上にメンバーの顔が表示されるので出席状況が瞬時にわかる
この2点は他のアプリにはないRemottyだけの特徴ですが、これによるデメリットも存在します。1点目の「他チームの状況も把握できる」は、一社員による愚痴も全参加者に見られる可能性があるということもそうです。このアプリケーションの機能をしっかり把握していれば防げる課題ですが、全体の士気にかかわるので気を付けたい点です。
ツール5:Workplace by Facebook
「Workplace by Facebook」は、あのFacebook運営の法人版アプリです。機能もUIもFacebookと似ていて、投稿はグループorタイムラインに載せる形になります。社内の情報をチームで共有する際はグループで、自分に関わる全員に向けてならタイムラインといった使い分けができます。チャット機能も当然ついていて、これは「Work chat」というSkypeのようなイメージです。音声でのやり取りも可能。他にも以下の機能があります。
・オープンに写真・動画アルバムを共有できる
・社内会議調整に便利なイベント機能
・汎用性の高いアンケート機能
使用感はFacebookとほぼ同じなので、Facebookに慣れている方にとっては非常に使いやすいアプリだと思います。また、タイムライン機能は、Facebook感覚で投稿できます。グループとチャット・タイムラインと豊富なコミュニケーションの場があるので、全体把握には適しています。しかし、メンバーの使い方によっては余分な投稿が邪魔になったり、コミュニケーションルームの数が多くなり煩雑になってしまうことも。しかし、そのような心配が少ない小規模企業にとってはデメリットが少なくオススメのアプリです。
情報共有アプリを使う際に注意するべきこと
このようなアプリケーションを使って社員と連絡し合う場合、気を付けるべきことがあります。以下の注意点やルールを守らないと結局使わなくなってしまったり、思うように意思疎通できない危険性が出てきてしまいます。
統一・単一化すること
ひとつの会社で使用するアプリは統一しましょう。チームとチームが連携する際、別々のアプリを使っていれば片方が片方に合わせないといけない場面が出てきます。アプリには独自の機能があり、それを活かした連絡・資料の送受信をする場面があるはずなので、機能を活かせない・二度手間になることは避けましょう。
運用ルールを設けること
社員が少なくとも、ツール・アプリを共同で使う場合は運用ルールをマニュアルにして配布しましょう。「Workplace by Facebook」のように個人同士の連絡を全体共有できるアプリでは、それを把握していない社員の一投稿で全体へ悪影響を与える可能性もあります。また、Slackのようなコードを送受信できる機能があれば、その独自機能にも触れることで全参加者がアプリの機能を使いこなすことができます。
以上の注意点を守りながら共有アプリを有効利用し、業務の効率化を図りましょう。
(ライター:菅野浩太)