中小企業におけるIT導入で気を付けること

人材不足の解消や生産向上の必要性が高まるにつれ、中小企業においても業務のIT化が喫緊の課題になってきました。しかし実際に大きな成果を上げているのは大企業の事例が多く、中小企業とは事情が異なります。

大企業と中小企業の大きな違いは主に下記の通りです。

  1. 資金力の大小
  2. IT人材の有無
  3. 業務の特性
  4. IT導入によるインパクトの大小

資金力があり人材も潤沢な大企業は、ITコンサルも交えた専門のプロジェクトチームを組んで取り組むことができます。また画一的な業務も多いため、一気に業務全般をIT化させることが可能です。場合によっては高額なAIを活用し、少々複雑な業務でも対応できるでしょう。これにより大規模な省人化が実現し、IT導入による大きなコストメリットや生産性向上の恩恵を受けられるのです。

一方で中小企業では標準化されていない特殊な業務も多く、そもそもパッケージ化されたITツールを導入することが難しいのが現状です。またIT人材も乏しく、日常業務と兼務でIT導入を任せられるケースも多いでしょう。そのためITによる恩恵が限定的になりやすく、結果として費用対効果を出すために無料や低価格のツールを選ぶことが多くなります。

様々な業者がITツールをリリースしているため、「え、これが無料!?」と驚くようなものも中には存在します。しかしそこに大きな問題が存在している可能性があるのです。

ITツール間の連携

無料であったり低価格でリリースされているパッケージのITツールは、かなり限定的な機能であることがあります。そのため業務をできるだけ多くIT化しようとすると、細切れにされた業務ごとにITツールを導入する必要が出てきます。

「ほとんどのツールはCSVでエクスポートしてインポートすることで連携できますよ!」

とおっしゃるかもしれません。

定期的にエクスポート・インポートする仕事を新しく作り、担当を決めて運用すればできるでしょう。しかしツール間の連携で人が入ることで、ヒューマンエラーも起きやすくなります。フォーマットの変更が必要になるかもしれませんし、変換を自動化するためのシステムを導入することになるかもしれません。

こうやって継ぎ足しを繰り返したり対処療法的に業務を付け加えていくと、結局何がしたかったのか分からなくなり、システム自体も使いにくいものになっていきます。またアップデートやサービスが終了することで、一気に業務フロー全体が崩れることもあります。

これを防ぐために必要なのは、

  1. 一連の業務を俯瞰してみる(自部署以外の動きも見る)
  2. IT化する業務の領域を明確に決める
  3. 連携のことを考えたITツールの選定を行う
  4. 多少高くても広い領域をカバーできるツールも選択肢に入れる

ということです。

業務全体を俯瞰する

どうしても社長から「この業務を効率化したい。」と言われたらそこに目が行きがちになります。しかし一度落ち着いて、将来的な業務全体のIT化を考慮しながら取り組むことが肝要です。

一連の業務を俯瞰してみる方法は、こちらで紹介しています。